朝は戦場のような忙しさで子どもを幼稚園に送り出し、仕事中も「今日は早く帰れるかな」と常に時計とにらめっこ。
そして家に帰れば第二の仕事（いや、メインジョブ？）の家事育児が待っている
こんな悩み、抱えていませんか？
「このままじゃいけない」と思いながらも、転職という一歩を踏み出せずにいるなら、今がチャンスかもしれません。なぜなら、社会が確実に変わり始めているからです。
- 子育てママにとっての転職市場の現状と変化
- 柔軟な働き方を導入している企業の探し方と応募のコツ
- 「異次元の少子化対策」があなたの転職にもたらすチャンス
働き方改革の波に乗る：子育てママにとっての追い風
「働き方改革」という言葉、よく耳にしますよね。でも「うちの会社は全然変わらないけど…」と思っていませんか？
実は今、表面的な改革だけでなく、企業の本質的な体質改善が進んでいます。
- 人材不足による優秀な人材確保の必要性
- テレワークの普及による「場所」の概念の変化
- 「異次元の少子化対策」による企業への圧力があります。
【成功事例】株式会社ユニクロでは、2023年から「地域正社員」制度を導入し、転勤なしで正社員として働ける仕組みを確立。子育て世代の女性社員の定着率が20%向上したと報告されています。また、サイボウズ株式会社では「100人100通りの働き方」を掲げ、社員一人ひとりに合わせた勤務形態を選択できる制度を導入し、女性管理職比率が40%を超える成果を上げています。
特に注目したいのが、「兼業の解禁や週3日勤務制」の導入企業の増加。「え、そんな働き方、本当にできるの？」と思うかもしれませんが、これは夢物語ではありません。
兼業の解禁
背景
日本では2018年に厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を発表し、企業の就業規則から副業禁止規定が削除される動きがありました。これにより、副業や兼業がより広く認められるようになり、働き手が自由にキャリアを形成できる環境を目指しています。
子育てママに適した兼業の形態
- フリーランス型副業：本業の空き時間に自分のスキルを活かした仕事を請け負う（Webライター、デザイナー、翻訳など）
- リモートワーク型副業：在宅で完結するオンラインアシスタントやカスタマーサポート
- スキルシェア型副業：自分の知識や経験を活かしたオンラインレッスンや講座の開催
注意点とリスク
- 本業のパフォーマンス低下に注意
- 確定申告など税金面の知識が必要
- 健康管理と時間管理の徹底が重要
- ソニーグループ：2017年には「キャリアプラス制度」として社内兼業・副業を推進する制度が導入
- ロート製薬：2016年4月からいち早く副業・兼業（同社では「複業」と呼称）を認め、「社外チャレンジワーク（複業）制度」を整備。
- リクルートホールディングス：上長と人事部署長の承認を得れば副業・兼業が可能。
週3日勤務制
背景
週休3日制は、柔軟な働き方を推進する施策として注目されています。一部の自治体や企業では試験導入が進み、特に子育て支援やワークライフバランス向上を目的とした取り組みとして評価されています。
- 日立製作所: 総労働時間を維持しながら週休3日制を導入。勤務時間を柔軟に配分できる制度で、従業員は月末に大型連休を取ることも可能。
- パナソニックホールディングス: 勤務日の労働時間を長くすることで給与を維持しつつ、休みを増やす仕組みを採用。
- 佐川急便: 労働環境改善や人材不足解消のため、一部営業所で週休3日制を導入。1日の労働時間を増やすことで給与水準は維持されている。（一部実質減少例も）
- ファーストリテイリング（ユニクロ）: 1日10時間×4日勤務の形態で、給与を変えずに週休3日制を選択可能。転勤のない地域正社員が対象。
週休3日制は、大手企業が中心となり試験的または選択的に導入されている状況です。
「異次元の少子化対策」があなたの味方になる
2023年岸田首相が初めて打ち出したフレーズ「異次元の少子化対策」。
正直、「またお役所の大げさなネーミングかな？」と思った方もいるかもしれません。
政府は深刻な少子化を背景に、「子どもを産み育てやすい社会」の実現を目指して、企業にも積極的な育児支援を求めるようになりました。その結果、働くママに嬉しい変化がじわじわと起きています。
たとえば
育児休業の取得を後押し
以前は「育休って本当に取れるの？」と不安だった制度も、今では企業側に育休を取得しやすい環境を整える義務が。男性社員の育休取得を促進する企業も増えてきて、「ママばっかりが育児を背負う時代」も、少しずつ変わり始めています。
- 育児休業の分割取得：2回まで分割して取得可能に
- 出生時育児休業（産後パパ育休）：子の出生後8週間以内に4週間まで取得可能
- 育児休業取得状況の公表：従業員300人超の企業に義務化
育休中の収入確保の方法
- 育児休業給付金：休業開始時賃金の67%（6ヶ月経過後は50%）が支給
- 社会保険料の免除：育休中は社会保険料（厚生年金・健康保険）が免除
- 企業独自の上乗せ制度：大手企業を中心に独自の給付金制度を導入する企業も
子育て支援に積極的な企業に補助金
政府は、子育て支援制度を整えている企業に対して、助成金や補助金を拡充。企業にとっても「育児支援をがんばる＝人材確保と国からの支援が受けられる」というメリットがあるため、制度整備に本腰を入れるところが増えてきました。
- 1つめ両立支援等助成金育児休業の取得促進や職場復帰支援を行う企業に最大80万円。（基本は60万円＋加算）
- 2つめ企業主導型保育事業助成金企業が従業員向けに保育施設を設置・運営する際の助成。
- 3つめくるみん・プラチナくるみん認定企業への税制優遇一定の要件を満たした企業は税制優遇の対象に。最新の適用状況は要確認！
- 三井住友海上火災保険株式会社：「育休職場応援手当（祝い金）」制度を導入し、育児休業取得者の同僚に最大10万円の手当を支給。
- 九州電力株式会社：「育児サポート応援金」制度を2024年9月から導入。育児休業取得者の業務をカバーする同僚に年間8,000円〜1万4,000円を支給し、助成金も活用している。
どう活用できるか
- 企業のホームページで「くるみんマーク」「プラチナくるみんマーク」の取得状況を確認
- 求人票や企業説明会で育児支援制度について積極的に質問
- 転職エージェントに子育て支援に積極的な企業を紹介してもらう
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保育サービスの拡充
「保育園落ちた日本死ね」が話題になったのも今は昔。近年は、保育園や一時保育、企業内保育所の数が徐々に増えていて、「働きたくても子どもを預けられない」というハードルが少しずつ下がってきています。
新しい保育サービスのトレンド
- 企業内保育所：職場に併設された保育施設で、通勤と送迎の負担を軽減
- 病児・病後児保育：体調不良の子どもを預かってくれるサービス
- 延長保育：突発的な残業や休日出勤にも対応
- ベビーシッターマッチングサービス：アプリで簡単にシッターを探せるサービスが増加中
待機児童問題の最新状況 2023年4月時点での全国の待機児童数は約1万人と報告されていますが、地域による偏りが大きく、都市部では依然として保育園入所が困難な状況が続いています。しかし、企業主導型保育所や小規模保育施設の増加により、少しずつ改善傾向にあります。
こうした動きを受けて、今では「子育て支援」を経営戦略の一部として掲げる企業も珍しくありません。子育てしながら働ける制度があるだけでなく、「実際に使いやすい環境」をつくる企業が増えているのです。
つまり今は、子育てママが安心して「次の働き方」を考えるための“土壌”が、整いつつあるタイミング。「このまま今の働き方でいいのかな？」と悩むあなたにとって、社会の流れは確実に追い風になっています！
では、こうした流れを味方にして、柔軟な働き方を実現する企業をどうやって見つければいいのでしょうか？ここからは、具体的な企業の見極め方をご紹介していきます。
柔軟な働き方を実現する企業の探し方
「子育てと仕事、どっちも大切にしたい！」そんな思いを叶えるには、柔軟な働き方ができる企業を選ぶことが大切です。ここでは、そんな企業を見つけるためのコツを3つご紹介します。
- 1つめ「くるみん認定」や「プラチナくるみん」マークをチェックする子育て支援に力を入れている企業に与えられる認定マークで、厚生労働省が発行しています。子育て中の方には、安心材料に！
- 2つめ企業の採用ページだけでなく「有価証券報告書」を読むこと実はここに、育児支援制度の利用実績や離職率など、企業の“リアルな姿”が書かれてる！？
- 3つめ転職エージェントを活用すること「週3勤務希望」「くるみん認定企業に絞りたい」など、具体的な希望をしっかり伝えることで、条件に合う企業を効率よく探してもらえる。
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情報収集力が、柔軟な働き方への第一歩。ぜひ活用してみてくださいね。
ジェンダーギャップの現実：知っておくべき転職市場の真実
日本のジェンダーギャップ指数は2023年の世界経済フォーラムの調査で146カ国中125位と、先進国の中でも特に低い水準にあります。
- 女性の給与水準は男性の74.8%（2023年厚生労働省調査）
- 管理職（課長相当職以上）に占める女性の割合は12.7%（2023年度）
- 出産を機に約6割の女性が離職している現状
- 女性の育休取得率：84.1%、男性の育休取得率：30.1%（2023年度）
- 子育て中の女性の約9割が「キャリアと育児の両立に困難を感じる」と回答
しかし、近年は女性活躍を推進する動きが広がり、変化の兆しも見えてきています。
- ポーラ化成工業：ワークライフバランス支援（時短勤務の柔軟化）
- イオンモール：柔軟勤務でワークライフバランス改善。女性管理職候補が増加した。
- EU諸国では「クオータ制」導入により企業の取締役会における女性比率が向上
- 北欧諸国は「両親保険制度」で男性の育児参加を促進
ジェンダーギャップの現実を認識した上で、どのように自分のキャリアを構築していくべきでしょうか。
子育てママが挑戦しやすい資格をまとめています↓
不平等な状況があるからこそ、情報武装が大切です。現状を知りそれに対する戦略を練ることで、より良い転職活動を展開しましょう！
より良い環境を掴むための具体的ステップ
子育て中のママでも無理なく実践できる“より良い働き方”を掴むためのステップをご紹介します。自分に合ったより良い環境を見つけましょう。
- step1現在のスキルと経験の棚卸し自分がこれまでやってきた仕事、身につけたスキル、得意なことを一度整理しましょう。
「時短で働いてるからキャリアになってないかも…」なんて思わなくてOK！紙やアプリに書き出すと、思わぬ強みに気づけることも。 - step25年後、10年後のなりたい姿を明確にする「子どもが小学生になる頃には週5勤務に戻したい」
「10年後は在宅中心でフリーランスも視野に入れたい」など、理想の姿を自由に描いてみましょう。 - step3子どもの成長ステージごとの働き方を検討保育園・小学校・中学校と、子どもの手がかかる度合いはどんどん変化していきます。
「今は在宅重視、でも小学生になったら出勤を増やす」など、ライフステージごとに柔軟に働き方を見直すのがポイント。 - step4必要なスキルと資格の洗い出し理想の働き方や職種に近づくために、どんなスキルや資格が必要かをリサーチ。
「IT系の知識があれば在宅でも働きやすそう」
「子どもが小学生になったら保育士資格を活かしたい」など、未来のために今から少しずつ準備を始めるのも◎ - step5定期的な見直しと軌道修正一度立てたキャリアプランも、ライフスタイルや家庭の状況に合わせて変わって当然！
半年～1年ごとに「今の働き方、理想に近づいてるかな？」と見直す習慣をつけてみましょう。
- 保育園入園の6ヶ月前準備開始
- 3-4ヶ月前求人情報のリサーチと応募書類作成
- 2-3ヶ月前面接対策と並行して保育施設の見学・申込
- 1-2ヶ月前条件交渉と内定承諾
- 子育て経験を「時間管理能力」「危機管理能力」などのビジネススキルとして表現
- ブランクがあれば、その間の学びや経験を前向きに伝える
- 短時間勤務でも成果を出せる具体的な根拠を示す
- 自分の強みと応募先企業のニーズのマッチングを明確に
詳しくはコチラの記事にまとめたよ↓
- 希望条件の優先順位を明確にしておく
- 柔軟な働き方に関する交渉は内定後すぐに行う
- 交渉の際は自分の価値と会社へのメリットを示す
- 書面での確認を忘れずに
育児に追われる日々の中、「転職活動なんてムリ」と感じてしまうのも当然。でも、今はオンライン面接やリモート説明会など、隙間時間でできる転職活動が増えています。
無理のないペースで、自分の未来を整えていきましょう。
よくある質問と回答
Q: 育休後、同じポジションに戻れるか不安です
A: 法律上は育休後の配置は『原職または同等の地位』が原則です。ただし、実際には企業の裁量に委ねられる部分も多いため、事前の確認と準備が大切です。
Q: 転職活動中の保育園探しのタイミングはいつがベスト？
A: 多くの自治体では4月入園が基本となるため、前年の10-11月頃から情報収集を始め、12-1月に申し込むのが一般的です。転職活動は内定をもらってから保育園が決まるまでに時間差があることを考慮して計画しましょう。
Q: ブランクがある場合、どうアピールすればいい？
A: 子育て期間中に身につけた能力（時間管理、マルチタスク、危機管理能力など）を具体的なエピソードと共にアピールしましょう。また、オンライン講座での学習や地域活動など、ブランク期間中の学びや経験も積極的に伝えると良いでしょう。
Q: 面接で「子どもが小さいけど大丈夫？」と聞かれたらどう答える？
A: 具体的なバックアッププラン（保育施設、ファミリーサポート、配偶者との分担など）を伝え、仕事へのコミットメントを示しましょう。ただし、このような質問自体がハラスメントに該当する可能性もあるため、会社の雰囲気や価値観を見極める機会にもなります。
まとめ：あなたの転職は、次世代のロールモデル
子育てママの転職は、単なる「働き方の変更」ではありません。それは、これからの社会をより良くするための一歩であり、あなた自身が次世代のロールモデルになるチャンスでもあります。
- 社会は確実に変わっている
「育児と仕事の両立」を応援する流れは、今や当たり前に。時短勤務や在宅勤務、柔軟な働き方を認める企業も増えてきました。 - 子育て経験は立派なスキル
毎日の時間管理、急なトラブルへの対応、家族や保育園との連携…。あなたが日々こなしていることは、どれも仕事でも求められる貴重な力です。 - 小さな一歩から始めよう
いきなり大きく変えなくても大丈夫。副業や情報収集、小さな学びからスタートするだけでも、未来は動き出します。
「100点満点のママ」じゃなくていいし、「完璧な社員」でもなくて大丈夫。どちらも全力で目指すより、“あなたらしい働き方”を見つけることが何より大切です。
そして、あなたが自分の人生を大切にして働く姿は、子どもにとって最高の教育になります。
さあ、自分らしい未来への一歩を、今日から踏み出してみませんか？
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